※ 本記事にはアフィリエイトリンク(プロモーション)を含みます。紹介しているのは、当サイトを実際に動かしているサービスと、自分で作ったテーマです。
「YouTube まとめサイト 作り方」で検索して出てくるのは、ほとんどが「WordPressの記事にYouTube動画を埋め込む方法」です。URLを貼れば埋まります、という話。
ただ、まとめサイトを作りたい人が知りたいのはそこではないはずです。知りたいのは動画が100本、200本と増えたときに破綻せずに並べ続けられる作り方のほうです。1つの記事に動画を貼る話と、動画そのものを1件ずつ管理する話は、設計がまったく違います。
この記事は後者を書きます。いま読んでいるこのサイトが、その作り方で動いています。
先に結論:分岐点は「動画を記事として作るか、データとして作るか」の1点
まとめサイト作りでつまずくのは、ほぼこの1点です。
| ふつうの記事(投稿)に埋め込む | 動画を1件ずつのデータとして持つ | |
|---|---|---|
| 最初の1本 | 速い。URLを貼るだけ | 先に準備が要る |
| 50本を超えたころ | 絞り込みができない。チャンネル別・年別・尺別に並べ替えられない | 条件で並べ替えられる |
| 掲載した動画が消えたとき | 本文を1件ずつ目視で直す | 一覧で検出して直せる |
| 見た目を変えたいとき | 全記事の本文を書き換える | テンプレートを1か所直す |
まとめサイトは「増えること」が前提の器なので、後者を選びます。WordPressではカスタム投稿タイプという仕組みがこれにあたります。動画IDやチャンネル名を「本文の中」ではなく「項目」として持たせる作り方です。
ここを最初に決めておけば、あとは足していくだけになります。逆にここを間違えると、100本並べたあとで作り直すことになります。
手順1 サーバーとドメインを用意する
WordPressを動かすので、レンタルサーバーとドメインが要ります。
このサイトと姉妹サイトの2つはエックスサーバーで動かしています。選んでいる理由は3つです。
- WordPressクイックスタートで、申し込みからWordPressの設置まで一度に終わる。DNSやデータベースの設定を自分でやらなくていい
- 1つの契約に複数のドメインを載せられる。2つ目のサイトを作るときにサーバー側の追加費用が出ない
- プランによってドメイン無料などの特典が付く
まとめサイトは、動画を埋め込むだけならサーバーに重い処理をさせません。最安クラスのプランで始めて問題ありません。足りなくなってから上げれば済みます。
料金や特典は時期で変わるので、公式サイトの表示をご確認ください。
※ 上はアフィリエイトリンクです。
「まず無料で試したい」なら、手元のパソコンにWordPressを入れて練習する方法もあります。ただしまとめサイトは公開して初めて検索に載るので、続ける気があるなら最初から公開できる場所に置いたほうが早いです。
手順2 WordPressを入れて、最低限の設定だけ済ませる
設置した直後にやることは多くありません。まとめサイトで後々効いてくるのは次の3つです。
- パーマリンクを先に決める(設定 → パーマリンク)。あとから変えると全ページのURLが変わるので、最初に決めます
- 不要な初期プラグインを消す。動画を並べるだけのサイトに重いプラグインは要りません
- サイトの説明文を「何のまとめサイトか」が分かる一文にする。ここが曖昧なままだと、検索する人にも検索エンジンにも伝わりません
手順3 動画を「1件ずつのデータ」として持つ
ここが本題です。動画1本を、記事の本文ではなく項目の集まりとして持ちます。最低限そろえるのはこれだけです。
- 動画ID(
https://www.youtube.com/watch?v=の後ろにある11文字) - チャンネル名
- 公開日
- 分類(ジャンル、シリーズなど)
- 紹介文(自分の言葉。ここが後述する「そのページを見る理由」になります)
動画IDさえ項目として持っていれば、埋め込みプレーヤーもサムネイルもテンプレート側で組み立てられます。本文にiframeを直書きしないのが要点です。直書きすると、見た目を変えたくなったときに全ページを書き換えることになります。
カスタム投稿タイプは、テーマの functions.php で register_post_type() を呼べば作れます。自分で書くのが難しければ、最初からその形になっているテーマを使う方法もあります(次の手順)。
手順4 テーマを決める
選択肢は3つです。
| 費用 | 向いている人 | |
|---|---|---|
| 無料テーマ+自分で改造 | 0円 | PHPを書ける人。カスタム投稿タイプの追加から自分でやる |
| 汎用の有料テーマ | 1万円台〜が中心 | ブログが主体で、動画は補助的に載せたい人 |
| 動画まとめ向けのテーマ | 数千円〜 | 動画の一覧・絞り込みが最初から要る人 |
汎用の有料テーマは「記事を読ませること」に最適化されているので、動画を絞り込んで探す動きは自分で足すことになります。ここを見落とすと、テーマ代を払ったうえで結局は改造することになります。
このサイトと姉妹サイトは、この用途のために自分で書いたテーマ「TubeMag」で動いています。動画のカスタム投稿タイプ、URLを貼るだけの一括登録、ランキング、絞り込みを最初から持たせたものです。2サイトを運用しながら直してきたので、この記事に書いた「増えたときに困ること」はひととおり反映してあります。
WordPressテーマ「TubeMag」を見る(BOOTH)
※ 自分で作って販売しているテーマです。仕様・価格は販売ページの表示が最新です。
手順5 載せる動画を選ぶ ── ここだけは規約の話をします
まとめサイトで、あとから取り返しがつかなくなる可能性があるのはここだけです。
やっていいこと
YouTubeの埋め込みプレーヤーで動画を表示することは、YouTubeが公式に提供している機能です。埋め込みが許可されている動画であれば、これを使って紹介できます。再生数も投稿者側にカウントされます。
やらないこと
- 動画をダウンロードして自分のサーバーから配信する
- サムネイル画像を保存して、自分のサイトに画像として置き直す(YouTubeが配信しているURLを参照するか、埋め込みプレーヤーに任せます)
- 紹介文が、動画の内容をそのまま書き起こしただけになっている状態
3つ目は規約というより、サイトとして成り立つかどうかの問題です。動画を並べただけのページには、そのページを見る理由がありません。見る人はYouTubeで検索すれば同じものにたどり着けます。並べる順番、選んだ基準、自分の言葉の紹介文——このどれかが無いと、まとめサイトはYouTubeの検索結果に勝てません。
もうひとつ、選ぶときに確認していること
このサイトでは企業の動画を扱うので、その動画が企業本体または関連アカウントの投稿かどうかをチャンネル名で照合しています。制作会社が自社の制作実績として上げているものは、同じ映像でも対象から外しています。ジャンルによって基準は変わりますが、「誰が上げた動画か」を1件ずつ確認する工程は、どのジャンルでも省けません。
作る前に知っておきたかったこと:まとめサイトは1か所だけ自然に壊れる
運用してみて分かった、いちばん実務的な話です。
まとめサイトは、放置しても大半は壊れません。壊れるのは掲載した動画そのものが消える/非公開になる/埋め込みを禁止に変更される、この1点だけです。こうなると、そのページには再生できないプレーヤーだけが残ります。
これは目視では見つかりません。ページ数が増えるほど無理になります。そこで掲載中の全動画をまとめて確認するスクリプトを用意して、定期的に回しています。考え方は単純で、YouTubeのoEmbedに問い合わせて200が返るかを見るだけです。
// check-embeds.js ── node check-embeds.js(Node 18以降)
// 掲載中の動画IDを並べて、埋め込みできなくなったものを洗い出す
const IDS = ['ここに動画ID', 'ここにも動画ID'];
(async () => {
for (const id of IDS) {
const r = await fetch(
'https://www.youtube.com/oembed?format=json&url=' +
encodeURIComponent('https://www.youtube.com/watch?v=' + id)
);
if (r.status === 200) {
const j = await r.json();
console.log('OK ', id, '/', j.author_name); // チャンネル名も確認できる
} else {
console.log('NG ', id, '← 削除・非公開・埋め込み禁止のいずれか');
}
}
})();
oEmbedが200以外を返したら、削除・非公開・埋め込み禁止のいずれかです。返ってくるチャンネル名(author_name)も一緒に見られるので、「載せたときと投稿者が変わっていないか」の確認も同時にできます。
WordPress側では、動画IDを項目として持たせてあれば、この一覧はデータベースから機械的に取り出せます。手順3の設計が効いてくるのは、こういう場面です。
収益化はどうなるのか(正直なところ)
まとめサイトの収益化として名前が挙がるのは、だいたい次の3つです。
1. クリック型広告
掲載するには審査の通過が必要で、通る保証はありません。とくに「他人の動画を並べたページ」は、独自の内容が薄いと判断されやすい領域です。紹介文や選定基準といった自分の言葉の分量が、そのまま審査の材料になります。広告収入を前提に計画を立てないほうが安全です。
2. アフィリエイト
扱うジャンルと相性のいい商材があるなら、1件あたりの金額はこちらのほうが大きくなります。ただし自分が実際に使っているものに限るのが結局は近道です。使っていないものを紹介する記事は、書けても続きません。
3. 自分で作ったものを売る
サイトを作る過程で手に入れたもの(テーマ、スクリプト、手順そのもの)を売る方法です。この記事自体がその形をとっています。
どれを選ぶにしても、共通して要るのはそのページを見る理由です。動画を並べただけでは、広告の審査も通りにくく、アフィリエイトも読まれません。
よくある質問
動画を貼るだけで著作権侵害になりませんか?
YouTubeの埋め込みプレーヤーを使い、埋め込みが許可されている動画を表示する分には、YouTubeが提供している機能の範囲内です。問題になるのは、ダウンロードして再配信する、画像を保存して置き直す、といった行為のほうです。
何本くらいから形になりますか?
本数より「絞り込める軸があるか」のほうが効きます。10本でも、選んだ基準がはっきりしていて並べ替えられるなら一覧として成立します。逆に100本あっても、順番に意味がなければYouTubeの検索結果と変わりません。
プラグインだけで作れませんか?
作れますが、そのプラグインが止まった日にサイトの形が崩れます。まとめサイトは動画の一覧そのものが本体なので、その部分はテーマ側(自作か、この用途のテーマ)に持たせておくほうが安全です。
更新はどのくらい必要ですか?
新しい動画を足す作業とは別に、掲載済みの動画がまだ生きているかの確認が要ります。上のスクリプトを月に1回まわす程度で、実務としては足ります。
まとめ
- まとめサイトの作り方は「動画の埋め込み方」ではなく「増えても破綻しない持ち方」の話
- 動画は記事の本文ではなく1件ずつのデータとして持つ。本文にiframeを直書きしない
- サーバーは最安クラスで足りる。複数ドメインを載せられるかだけ見ておく
- 載せる動画は埋め込みが許可されているか・誰が上げたかを1件ずつ確認する
- 自然に壊れるのは掲載動画が消える/埋め込み禁止に変わるの1点だけ。スクリプトで定期確認する
- 収益は広告の審査を前提にしない。自分の言葉が入っているページだけが、どの方法でも効く
作り方そのものより、作ったあとに何が壊れるかを先に知っておくほうが、結局は速いと思います。
