採用動画を作るとき、出演者を誰にするかは早い段階で決める必要があります。俳優を起用するのか、社員に出てもらうのか。当サイトが紹介している動画を見ると、社員が出演する形が主流で、しかもその見せ方にはいくつかの型があることが分かります。
型1:社員の一日を追う
京セラコミュニケーションシステム|a Day in The Life
システムエンジニアと通信エンジニアの社員2名の目線で、一日の流れを追う構成です。概要欄でも「疑似体験できる動画」と説明されています。業務内容を言葉で説明するより、朝から夕方までの流れをそのまま見せたほうが、応募者は自分を重ねやすくなります。1分30秒。
この型の利点は、特別な演出をしなくても成立することです。実際の一日をそのまま撮れば形になります。
型2:職種を1つに絞る
株式会社アマダ|社員紹介 サービスエンジニア
板金加工機械メーカーの社員紹介で、納入した機械の設置や保守を担当するサービスエンジニア職だけを扱っています。会社全体を紹介するのではなく、職種ごとにシリーズとして作り分ける方式です。約3分37秒。
会社全体を1本にまとめると、どの職種の話も断片的になります。職種別に分ければ、応募者は自分が就く仕事の話だけを見られます。応募後のミスマッチを減らす効果も期待できます。
型3:現場と社員を、そのまま撮る
イノアック|採用コンセプトムービー
概要欄に「出演者は全員社員、撮影もすべて実際の事業所で行いました」と明記されています。経験が浅くても手を挙げればチャレンジでき、それをサポートする仲間がいる、という企業風土を若手社員の姿で表現しています。約2分57秒。
出演者と撮影場所を概要欄で明かしているのは、映像の信頼性に直結します。作り込まれた映像ほど「これは演出では」と受け取られやすいため、あえて種明かしをする判断は理にかなっています。
型4:外部の話題を入口にする
村田製作所|魔改造の夜に挑んだ開発者たち
NHKの番組「魔改造の夜」への出場を題材に、番組での取り組みや日々の業務について開発者が語る構成です。会社の説明から入るのではなく、視聴者がすでに知っている話題を入口にしています。約4分5秒。
自社を説明しようとすると、どうしても事業紹介から始まって単調になりがちです。外部の出来事を起点にすると、自然に人の話に入っていけます。
型5:問いかけから始める
トタニ技研工業|トタニに人が集まるその訳は?
タイトル自体が問いかけになっており、その答えを映像で示していく構成です。約3分10秒。視聴者に疑問を持たせてから答えを出すため、最後まで見てもらいやすくなります。
型6:物語にする
アビームコンサルティング|採用コンセプト動画
一人の学生が社会変革に挑む社員と出会い、葛藤と成長を重ね、やがて自らも変革を担う存在へ歩み出す——という筋書きのドラマ形式です。約2分26秒。
この型は制作の難度が高く、脚本と演出が必要になります。ただし、うまく作れば企業の価値観を説明せずに伝えられます。
社員に出てもらうときに効くこと
実例を並べて見えてくるのは、誰が出ているかを隠さないことが説得力につながるという点です。イノアックのように出演者が全員社員であることを明記する、中林建設のように制作会社と撮影・編集の担当者名まで概要欄に書く。こうした情報開示は、映像そのものの質とは別に、見る側の信頼を左右します。
もう一つは、対象を絞ることです。全社・全職種を1本でカバーしようとすると、どうしても抽象的な言葉が増えます。職種を1つに絞る、工場を1つに絞る、社員を1人に絞る。絞ったほうが、短い尺でも具体的な話ができます。
